景気が上向きでない状況が続くと、どの業界でも価格競争が起きます。同じような商品、技術であれば安い方を選ぶのは、消費者の感覚としては一般的だといえるでしょう。近年増えてきているフリーエンジニアとして仕事をしている人には、この価格競争はダイレクトに生活へ影響を及ぼすものになってきます。一つ一つの単価がほんの少し下がっていても、全体の数字で考えてみると大きな数字に変化しているのです。
単価を下げることで他のフリーエンジニアとの差をつけるのはいい考えのように思いますが、現実の問題としては身を削ることで仕事を得るということになります。仕事は増えても単価が低ければ収入は少なくなり、単価を下げる前と同じだけの収入を上げようと考えた場合、どうしても仕事の量を増やさなくてはいけません。仕事をする時間を増やすことで、収入を維持するのは他の時間を削ることになってしまうでしょう。
また、今までの単価から一度下げてしまうと、元の単価に戻すのはなかなか難しいものです。ではどうすれば価格競争の中で仕事を得続けることができるのでしょうか。それは、仕事に何かしらの付加価値を加えることです。この付加価値はその仕事や得意先などによって変えることも必要かもしれませんが、まずはほんの少しのものでいいでしょう。例えば仕事を納品して終わり、ではなく納品後のメンテナンスに関わる部分を期間や回数などで行うことは、一見時間と技術のサービスのように思えますが次の仕事に繋がるきっかけになります。つまり、一度仕事をして終わりになるのではなく、継続して仕事を得ることが可能になってくるのです。もちろんそのためには、他の人に負けないスキルが必要になってきます。